労働基準監督署が従業員からの申告に基づき会社へ調査に訪れることを、申告監督といいますが、この申告監督は定期監督に比べて厳しい調査になるかと思います。
申告監督の場合、事前に連絡すらなく、ある日突然調査に監督官がやってくることも十分考えられます。
労働基準監督署が調査にやってくる、これは労働基準法違反の事実があるという証拠をある程度掴んでいる場合が大半です。
その申告に基づき、入念に調査されることが予想されます。
特別怖がったり構える必要はありませんが、経営者はそれなりの覚悟をして応対をした方がいいでしょう。
この労働基準監督署の調査を拒否することは原則不可能です。
言われた通り、指示された書類を開示し、指導を待つことしかできません。
いきなりの調査に不信感や不快感を持つ方もいらっしゃるでしょうが、監督官に刃向っても意味はありません。
素直に指示に従う、これにつきます。
悪態をついたり、指示された書類の提示を拒んだり、調査に非協力的な態度が悪質だと見なされれば最悪刑事処罰を科されることもないとはいえません。
また当然ですが、社員の誰誰が申告した等とは教えてくれません。
申告者のプライバシーは守られなければならないので聞いても無駄な事になります。
近年、労働基準監督署は未払い賃金、特にサービス残業、労働時間に関して重点的に調査や指導を行っています。
調査によって未払い賃金が発覚した場合は、監督官は支払いを指導する場合もあります。
可能な限り、会社側は監督官の指導に従いましょう。
繰り返しになりますが、悪質だと判断された場合は刑事処罰を科されることもあるのです。