現在、四人に一人が高齢者といわれている日本は、これから誰も遭遇したことのない超高齢化社会と向き合わなければならなくなります。高齢化は今後増々加速します。
この高齢化と弁護士の業務は非常に密接しており、弁護士会でも高齢化社会対策本部を新たに設置しました。
人権擁護を基本信念とする弁護士がこれからの高齢化社会において果たす役割と期待は他の専門家に比べ物にならないくらい大きなものです。
高齢者が個々の尊厳を守り、安心して暮らしていくためには、より実情に沿った法制度や法支援が必要であり、弁護士も他団体と提携しながらこの超高齢化社会を支援していく立場でいなければなりません。
個人の特に高齢者などの社会的弱者の権利や尊厳を守るために法律は効果的ですが法律だけでは救済しきれない部分もたくさんあります。
他にも行政や国、様々な団体と連携していかなければなりません。
特に一番期待される役割は成年後見人制度や私的財産管理人としての役割です。
通常は親族が選任される事が多かった後見人ですが、近年利害関係上の問題から弁護士が選任されるケースが増えてきており、今後も増加傾向にある見通しです。
現状、無料法律相談の実施で、従来に比べて弁護士という存在が身近になりつつありますが、フットワークの軽い若者世代に比べて高齢者にとってはまだまだ法律へのアクセスは容易ではないようです。
本当に法や弁護士の力を必要としている方へ救済の手が届いていない等、高齢化社会に向けての問題は実に山積みです。
基本的人権を守る為、司法の担い手として弁護士が背負っている期待と責任は非常に大きなものなのです。