婚約は口約束だけでも成立します。
しかしただ結婚しよう、と口にしただけ、それだけでは法的には認められないケースもあります。
婚約の同意の元に双方が新たな生活に向けての準備を始め、婚姻届の提出を前提として誠心誠意交際する、そんな義務が生じるのです。
この誠心誠意というのがポイントになります。
表現は悪いですが、男性あるいは女性が相手を口説くために結婚しようとかずっと一緒にいたね、などとささやいただけでは婚約成立、とまでは言い難いです。
また第三者、例えば家族や職場の人間、友達や知人に婚約関係を公にしている、すなわち公然性も重要になってきます。
ですからお互いの同意の元、周知の上で、誠心誠意交、結婚を前提に婚約をし交際をしていた場合には、突然の一方からの婚約破棄には慰謝料請求権が発生します。
では、婚約破棄の慰謝料はどのくらいが相場なのか。
いくら請求できるのか。
慰謝料を請求する側の多くの方が一番気になる所かと思います。
そもそも慰謝料というものは精神的苦痛に対する損害賠償金のことを指します。
どれだけの精神的ダメージを受けたかどうかなんて、第三者にはそう簡単には理解できません。
実際判断するのは裁判官になりますが、それでも本人の心のダメージは他人が正確に測りきることはできません。
また例え請求した所で相手に支払い能力がなければ、そんなものは机上の空論でしかありません。
請求額は、婚約期間や婚約破棄の時期、相手による不貞行為や不法行為、相手の社会的地位や収入などを加味して裁判官が決めるものになります。
ですので婚約破棄の慰謝料はケースバイケース。
慰謝料の相場とは実質的にあってないようなものなのです。